本作は事前収録ドラマ（2016年収録）なので、全体的に穏やかな空気が流れてる。撮ってすぐ放送するドラマは鮮度はいいだろうが、世間の意見に揺れている感じを受ける。人気があれば話数を増やしたりして柔軟な反面、不自然さもあったりする。

事前収録の良さは何といっても世論に惑わされないこと。作り手側の意志がしっかり見えること。撮影は費用や役者のスケジュールもあってそれなりにタイトだろうが、台本が出来上がっているのは演じる側にとっても心に余裕がうまれる。演ずべき方向が決まっているから。

ニュース番組のようにいち早く届ける情報も大切だ。しかし、その情報のなかに未確認情報が含まれていたり、あるいは正しい情報ではないものが流布されたり、情報が操られたりというのもあるだろう。

ドラマは夢を売る商売だと思っている。ドキュメンタリーとは違うところだ。救いがないドラマは見ている方も辛さしか残らない。

私たちは救いのない世界で生きている。希望は泡のように消えたり、突然、自分の居場所さえ危うい状況に置かれたりもする。夢は叶わないことも多い。与えられたものでつつましく生きていてもその生活の保障もない。

世論、人の口は恐ろしいものだ。すでにインターネット社会に生きている。私たちは「忘れられる権利」を主張しなければプライバシーさえ危うい。インターネットと無関係に生きているつもりでいても、いつ自分が被害者になるかわからないのだ。あなたの住所氏名顔写真家族の情報など悪意を持った誰かが偽装された情報を付加しネット上に流したら、どうなる？

やっていないことを証明するのは難しい。たとえば、痴漢冤罪の恐ろしさ。痴漢で起訴されて、有罪になる確率は９９％という。実名報道され落ちた信頼をどう乗り越える？

今日は人の上明日は我が身の上…と考え出すと不安でつぶれそうである。

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昨年のヨンファ事件（インサイダー取引の疑い）で、ヨンファの心中はどうだったのだろう。容疑なしと認められたが、失った信用はなかなかもどらない。

そんな最中のドラマ出演である。信じてくれた監督たち。2か月間のフランスでの撮影…

現在、彼はうまく回復したようにみえる。

このドラマには、多くのキスシーンやベッドシーンも含まれている。旅先でなんやかんややらかして周りに迷惑かけるけれど好奇心旺盛で自分の欲求に正直な振る舞いをする憎めないサン・マル役である。キスシーンはまだしもベッドシーンなんて日本に入ってくる最近はやりの韓国ドラマにはほとんどない。キスさえしないまま結婚へ…という流れさえある虚像のようなドラマが多い中、8泊10日の旅先で出会い、濃いキスにベッドイン、ピロートーク…なんて、マジで良い役もらったね！

ヨンファは島に4泊5日滞在するバラエティ番組「島銃士」でも飾らない姿を見せ、芸能評価も高い。10月から放送されたこのドラマ。これらが相まって上手に乗り越えたようである。

ヨンファのヨンファっぽさ全開のこのドラマ、なかなか面白いと私は思っているのだが、視聴率は低迷している。第9話1.580%。有料放送JTBCだからある意味仕方ない結果なのかもしれない。それでもニュース話題は好意的である。

ヨンファの演技も好評である。ヨンファへはわりと厳しい評価？の私から見てもかなり自然な演技。

そして、なにより夢を売るドラマである。

展開はテンポよく穏やかで、詩的な言葉とフランスの美しい背景映像に魅せられる。登場人物もとても丁寧に描かれている。各話でパッケージツアーに参加している他のカップルに焦点をあて、それぞれの人生ドラマが描かれている。重みと厚みのバランスがうまいなと思わせ、誰もがみな主人公のドラマである。

あ～韓国語がもっと聞き取れて自国語のように聞こえたらいいのにな…内なる習得目標はこのドラマだったんだがな…(笑)。

では、ヨンファのベッドピロートーク8話と9話から「俺を見てよん」でしめるとしましょうか(笑)。いずれもJTBC公式。

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