経年劣化だと?心の老化

最近、家にあるものがやたら壊れていく。

今朝は洗濯バサミ。もうずっと使っている洗濯ハンガーも次々と壊れている。

たいしたことじゃないじゃん、だよね~。(笑)

自分で言うのもなんだが、モノを大切に使う方だと思う。洗濯バサミやハンガーも15年ほど使っている。(そのわりに電化製品は悲しいほどバンバン壊れる。)それでも消耗品の経年劣化は仕方ないことだ。

しみじみ洗濯バサミを見つめる。

経年劣化…

(心の声)劣化か…ヒトはいつから老化するんだっけ。

一般に老化は二十歳から三十歳くらいに始まるといわれる。

意外にはやい?老化は老化でも今日は身体変化の話ではなく、ズバリ…

心の老化である。

近年、むさぼるようにドラマを見ていた。ヨンファにハマって、疑似恋愛(?)も楽しかった。

しかし、ここ最近、好奇心も失せた。どんなイケメンを見てもときめかない。心が砂漠化したかのように。あるいは麻痺したかのように。錆びついた感情というべきか。

怒りの感情も昔ほど強くない。

世の中には怒りが多い。家族や親せきのこと、職場のこと、パートナーのこと、友達のこと、近所のことなど付き合いについての怒り。暴力や侮辱に対する怒り。また、政治や世界情勢、天気なども怒りの要因のひとつである。期待通りの結果が得られないときに怒りの感情が生まれる。

もとより私は、怒りの沸点が他人よりも低いようで、異常なくらいに怒っていた。

20年くらい前に、臨床心理士からカウンセリングを受けないかとスカウト(?)された。なぜ自分がカウンセリングに?と不思議だったが、今ならわかる。あのとき確かに私はおかしかった。言動が異常だったのだ。

たとえば、初対面の自己紹介で

「離婚しようと計画中です。よろしくお願いします。」

とにこやかに言っていたのだ。言われた相手はぎょっとする。なんなんだこいつは!という表情になる。反応を楽しんでいたのも事実だが、それだけ追いつめられていたのだ。

追いつめられた人が吐き出して楽になれるならばカウンセリングは役に立つ。ちゃんと「聞いて(傾聴して)」くれるから。正論を言うことも、たしなめたり意見を言うこともない。

友達に相談しても、相談された側は解決してあげなきゃという気持ちが強いので、アドバイスの形をした意見を言うことになる。ほら、こうすればいいんじゃない?とか、こうしなよみたいな…マトモな人ならすべき形があり、それに則ったアドバイスである。

でも、相談した本人はそんなことわかっているのだ。わかっているけどできないから悩むのだ。答えは自分の中にあるのに気付かない。

だから、人に話してはそのたびに小さく傷つく。かすり傷があちこちにできる。それでも誰かに話して楽になろうとする。

そもそも、本当に悩んでいるときは人に言えない。口にできるのは話してもいいことだけだ。取捨選択しつつ話すのだ。

正論で人は変れない。自ら気づき変わらなければ症状はよくならない。それを手助けするのがカウンセリングだ。

カウンセリングは8年間くらい受けていた。もう10年以上前の話だ。

最近の私は、ストレスは感じているけれど怒りもない。吐き出す言葉も出てこない。今までになかった現象だ。

そういやここ数年、なんか変だった。ちゃんと生きている感触が得られなかった。どこかゆらゆら漂っているような、薄い膜で外界との隔たりができているような心地。自分の触覚がうまく捉えられなくて、その理由もわからず、いつも抜け殻のようだった。

なぜだろう?

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その答えは…

前頭葉の委縮による「感情老化」である。

(精神科医の和田秀樹さん)

精神科医の和田秀樹さんの詳しい話はリンクから↓
体力の衰えより早く来る…「感情の老化」はこう防ごう
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO90410870R10C15A8000000?channel=DF260120166504

だれだよ、始めることさえ忘れなければ心の若さは保てるって言ったのは。

韓国語の勉強だって始めた。新しい歌だって練習している。いつもと違う道を通ったりもする。

それでも、私の感情が老化している。

老化は突然くるわけじゃないから、少しずつ前頭葉が委縮していたことに気付いてなかった。

振り返れば、言葉を操れないことが多くなり、極端に語彙も減っていた。計算ものろい。妄想することが心の安らぎだったのに、うまく妄想できなくて遠ざかっていた。

アンチエイジングという言葉が嫌いだ。

「抗老化」?抗ってどうする?老けたっていいじゃん。

と、開き直って老化を受け入れたのがいけなかったのだろうか。皮膚掻痒のせいかもしれない。

見かけは老けてても全然かまわないけど、これはヤバい、鍛えなきゃ!とにかく、しばらくジタバタするつもりである。この意志が続かないのも老化だろうかという嘆きも内に秘めつつ、少しでも元気な感情になれるよう抗おうと思う。

最後に、同気を求めるつもりはないし、慰めあうつもりもないが、私と同じような経験がある方へ。いっしょにがんばりましょう!